ADHDに有効な薬物療法
ADHDへの対策として有効なのが薬物療法です。ADHDを原因とした日常生活の困難を解消するために、「コンサータ」「ストラテラ」「インチュニブ」という3つの薬が使われます。
ADHDの薬は、それを服用するだけで治る魔法の薬というわけではありません。まずはトレーニングを行い、それでも日常生活に困難が残ると判断されたとき、初めて薬物療法がスタートします。ここでは、ADHDの薬物療法について解説します。
コンサータ
神経伝達物質に作用し、ドーパミンやノルアドレナリンの活性化を促します。コンサータはドーパミンに作用する強い薬であるため、依存性もあります。もともとはドーパミンが少ないADHDのための薬ですから、健常者が飲むとイライラしたり、夜にまったく眠れなくなったりすることが考えられます。医師の判断を仰いで、用法・用量を守って正しく服用しましょう。
薬を飲まない日を設けたり一時中断したりするドラッグ・ホリデーが採用されるのも、コンサータの効果が大きく、その分の副作用も大きいためです。コンサータの主な副作用として、食欲減退や眠れなくなるといった症状があります。
ストラテラ
コンサータと同じく、ドーパミンやノルアドレナリンの活性化を促す薬です。特に、ノルアドレナリンへ影響します。カプセルと内服液の二種類があるので、子どもでも服用しやすいというメリットがあります。一気に服用すると副作用が大きく出てしまうので、段階を分けて少しずつ増やしていく方法が取られています。
ストラテラの主な副作用もコンサータと似ており、食欲減退や不眠があげられます。
インチュニブ
2017年に使用が認められた、比較的新しい薬です。コンサータやストラテラと異なり、神経伝達物質に働きかけるのではなく、それを受け取るシナプスに作用するため、癖になりにくい非刺激性の治療薬となっています。
ただし、新薬なので、現在は18歳以下の方にしか処方が認められておらず、大人がインチュニブを服用することはできません。