1. >
  2. >
  3. 先延ばしにしてしまう

先延ばしにしてしまう

やるべきことに手を付けず、ズルズルと先延ばしにする傾向は、診断名の有無にかかわらず、誰にでもあることです。中でもADHDにとって先延ばし対策は最大の難関。それは、気が散りやすく長期的な視点が持てないので、「今やりたいこと」を優先させてしまうという特性があるから仕方ない、と済ませられる話ではありません。支えてくれる周りのためにも、どうにかしなくてはなりません。

やるべきことがあるのに先延ばしにしてしまった

私も、先延ばしをしてしまった事が何度もあります。何度も…というより、毎日のように先延ばしと戦っている状況です。

家事の先延ばしなど日常茶飯事で、朝になって下着も洋服も一枚もないという事態になっていたり。遅刻しそうなのにテレビにくぎ付けになってしまったり。仕事であれば、やるべきことがあるのに手を付けず、前日になって一気に取り掛かるといった具合です。

仕事に関しては、お尻に火がついてはじめて、ブーストがかかったように取り掛かります。それで間に合うことが多いですが、時にはまったく間に合わなくて頭を下げることも…。その時には「絶対にこんなことが起きないようにしよう」と思うのですが、1週間も立たずにそのことをすっかりと忘れてしまうので、同じ轍を何度踏んだか分かりません。「やらなきゃ」と自分を責めながらも、自分の身体をコントロールできない無力さを何度も味わいました。

しかし、先延ばし癖のもっとも質の悪いのは、先延ばしのための対策さえ、先延ばしにしてしまうところ。コンサータを飲めば人が変わったようにテキパキと動けるんですが、できれば薬に頼りっきりにならず、このテキパキ感を身体に覚え込ませておきたいものです。

私なりの対策

私は、少なくともやるべき仕事がある時には「タイマー」をセットすることにしています。必要のないタスクに集中してしまい、やるべきタスクがおろそかになっているときは、正直なところ何時間経っても気づけません。だからこそ、最長でも60分のタイマーによって、今の自分の行動を、簡単にでも見返す時間を設けているのです。

さらに、仕事も家事も「やらなきゃ」ではなくて、「どうやったら作業をしなくても良くなるか」という、私にとって好きな作業に変換しました。無理やり行動をするのではなくて、行動を減らすために行動をする、という思考の切り替えです。

時間を意識するためのタイマーと興味ない⇒楽しいに変換する行動は、先延ばし対策の根幹です。時折先延ばしをしてしまうこともありますが、それでも以前に比べてその回数はぐんと減りました。